連載・特集 連載・特集 プレミアムボックス

尼崎連続変死事件公判

  • 印刷

 尼崎連続変死事件で、角田美代子元被告=自殺時(64)=の義理の娘瑠衣被告(30)に対する裁判員裁判第17回公判が2日、神戸地裁で開かれた。2005年7月に沖縄の崖から転落死した角田久芳さん=死亡時(51)=事件の審理で、被告人質問があった。

 検察官との主なやりとりは次の通り。

 -久芳さんはなぜ崖から飛び降りたのか。

 「角田家の全員で死んでもらうようにお願いしたからです」

 -何の目的で?

 「久芳さんに死んでもらって、その保険金を角田家に入れてもらうためです」

 -久芳さんは一度逃げ出したが、後日、近くで見つかった。元被告の反応は?

 「『まさか、そんな近くにおらんやろ』と言っていて、当てが外れて悔しがっているような感じでした」

 -「保険金のため」というのはどこから分かった?

 「美代子が久芳さんに、恥しのんで言うたよな。家苦しいんや。そしたら『姉ちゃんのために、逝ける』って言うたんとちゃうんか、と。そういうことから分かりました」

 -逝けるとは?

 「死ねるという意味です」

 -死ぬ方法は交通事故を装う?

 「そうです」

 -その方法はどうして分かった?

 「『会社の帰り』『自転車』という美代子の言葉を聞いて想像しました。美代子が玄関で見送る時、うちは久芳を見れるのは最後か思って『いってらっしゃい』と言っているのに、平気な顔して帰って来やがって、と言っていた」

 -話し合いの中で、久芳さんは何か発言していたか。

 「美代子が、わあと言っているのを申し訳なさそうに聞いているのがほとんどで、その中で『怖くてようでけへん』とよく言っていました」

 -(元被告の義理の妹)三枝子受刑者と久芳さんは籍を入れている。どう理解した?

 「保険金を手に入れるには、籍のつながりがないともらえないからだと思いました」

 -あなたが久芳さんに何か言ったことは?

 「久芳さんに聞こえるように、美代子に向かって『自分も何でもする』とか『風俗でも行こか』と言いました」

 -どういう趣旨で言った?

 「久芳さんが早く死なないから、角田家の家計がほんまに行き詰まって困っていると、美代子が責めていましたし、私自身も、ここまで来たら覚悟決めるだけやのにとか、するしかないやろとか。嫌みで聞かせてました」

 -当時、死ねない久芳さんを見てどう思っていたのか。

 「車に飛び込むのはほんまに怖いんやろな、と分かっていたけど、ただ『でけへん』ではすまへんし、そもそも1回すると言ったんやから、『いまさらあかんやろ』という美代子の考え方に同調してました」

2015/12/2
 

天気(9月8日)

  • 33℃
  • ---℃
  • 40%

  • 33℃
  • ---℃
  • 50%

  • 34℃
  • ---℃
  • 20%

  • 34℃
  • ---℃
  • 40%

お知らせ