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尼崎連続変死事件公判

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 尼崎連続変死事件で、12日の神戸地裁判決は、角田美代子元被告=自殺時(64)=の義理の娘瑠衣被告(30)を全ての事件で元被告の「共犯」と認定し、懲役23年を言い渡した。元被告を「お母さん」と慕い続けた瑠衣被告。一方で、判決は元被告の強い影響下にあったことや、主犯格とされる元被告がいない中で詳細な証言を続けて事件の解明に貢献したことも重視した。

 瑠衣被告は白いシャツ、紺色のカーディガン姿で入廷。落ち着いた表情で証言台の前に立ち、佐茂(さも)剛裁判長に名前を確認されると、小さな声で「はい」と応じた。

 瑠衣被告は2003年、家族崩壊の末、当時17歳で角田家に取り込まれた。当初は敵意を抱いたが、次第に元被告を慕い、「お母さん」と呼ぶように。自らは元被告から名付けられた「ハナ」と称するようになった。閉鎖的な集団生活で、日常的に虐待を繰り返す元被告。佐茂裁判長は、瑠衣被告がその支配下で「虐待や人の死に抵抗感を抱かない異常な価値判断や感覚をいや応なしに身に付けていった」と指摘した。

 ただ、逮捕後は徐々に事件について証言。「子どもに会うときにきれいになっておきたい」と2児の母の心境をのぞかせ、元被告が12年12月に自殺して以降は元被告に付き従った人物として、詳細な供述を重ねた。14年11月から相次いで始まった親族ら6人の公判では、たびたび検察側証人として出廷。この日の判決も「真相解明に貢献した」「子どもらの存在を支えに更生への意欲を示している」と評価した。

 判決後、7人の裁判員らが会見した。一様に元被告の不在で難しい判断を迫られたと感想を述べた。補充裁判員を務めた40代主婦は「公判で映像などを見て、元被告が夢に出てくるなど精神的な影響もあった」と振り返った。

 判決を受け、瑠衣被告の父で被害者の親族でもある男性(63)は「捜査機関が早く訴えに耳を傾けてくれていれば、多くの被害者は出なかったと思うと、悔しい思いがしてなりません」とコメントした。

2016/2/13
 

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