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尼崎連続変死事件公判

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 尼崎連続変死事件で、角田美代子元被告=自殺時(64)=の義理のいとこ、李正則被告(41)の裁判員裁判第17回公判が7日、神戸地裁で開かれ、事件全体を通じた最後の被告人質問があった。

 弁護側との主なやりとりは次の通り。

 -高校卒業後、尼崎の会社に就職したものの辞めている。理由は。

 「母と義父が、私の名義で消費者金融に借金をしてまして、私は返済していると思ったんですが、返済がなくて会社に連絡がきて、会社にも『どういうお金の使い方しているんですか?』と聞かれて行きづらくなりました」

 -嫌だった?

 「はい。『返してや』と言ったけど、『家の状況見たら分かるやろ』と言われました」

 -会社を辞めてから暴力団と関わるようになる。悪いこともしたのか。

 「人をさらって車のトランクに入れたり、集団で殴ったりしました」

 -1年2カ月で辞めた。その後の関係は。

 「一切ありません」

 -結婚もした。理由は。

 「子どもができたからです」

 -離婚した原因は。

 「美代子と知り合ったことが原因です」

 -今、子どもに会うつもりは。

 「正直、会えるような自分じゃないと思います」

 -角田家でのあなたの立場は一番下?

 「はい」

 -角田家のためにどうしろと言われた?

 「何があっても逃げるな、命を張れ、いざとなれば死ねと言われました」

 -角田瑠衣被告は、この法廷で「私が一番下だった」と話したが。

 「全然違うと思います」

 -瑠衣被告は、元被告の次男優太郎受刑者と結婚。結婚後、瑠衣被告はどうなった?

 「どちらかと言えば言いたい放題になりました。ことあるごとに自分のせいにされました。角田家のメンバーともめると『まさが悪い』と言われました」

 -あなたは優太郎受刑者と仲良くなかった。

 「はい。子分みたいに邪険に扱われて名前では呼ばれず、『ブタ』『鼻でか』『ばい菌』などと呼ばれてました」

 -呼ばれるだけでなくそういった扱いも受けたのか。

 「歯ブラシを同じところに置くなとか、同じタオルを使うなとか、湯船に漬からんといてくれと言われたりしました」

 -この公判で、他の被告の供述などを見て思うことは。

 「正直に言うと、美代子の言っていた通り、『何かあったら自分のせいにしとけ』となってて、はめられてるな、と思いました」

 -今、振り返って角田家という世界はどうだったか。

 「誰も信じられないような、異常な世界でした」

 -事件において、あなたの存在が大きいという自覚は。

 「影響力は大きかったと思います」

 -どうしてそのような気持ちになったか。

 「事件全部が起訴されて、心境に変化が現れました」

 -捕まった時は自覚が無かった?

 「『美代子から言われたことをやってただけやんか』『俺やって取り込まれた側やん』と思ってまして」

 -今は。

 「逮捕された時の感情や、亡くなられた方の気持ちを思うと、本当に自分が愚かであったとしか思えません」

 -あなたは有罪判決を受けることになる。罪について考えることはあるか。

 「相当厳しいものになると思いますが、どうなるかと考えること自体が亡くなられた方に対して申し訳ない。しっかりと向き合いたいと思います」

【特集】尼崎連続変死事件公判

2015/10/7
 

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