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尼崎連続変死事件公判

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 尼崎連続変死事件で、角田美代子元被告=自殺時(64)=の義理の娘瑠衣被告(30)の裁判員裁判第19回公判が4日、神戸地裁で開かれた。2005年7月に沖縄の崖から転落死した角田久芳さん=死亡時(51)=に対する事件の審理で、元被告の養子で長男の健太郎受刑者(33)の証人尋問があった。

 検察側との主なやりとりは次の通り。

 -角田家の家計が苦しいことを、あなたはいつ知った?

 「久芳さんが亡くなる1年くらい前です」

 -経緯は。

 「美代子に部屋に呼ばれて『うちお金苦しいんや。うちが死ねって言ったら死ねるか?』と言われました」

 -あなたは何て?

 「『はい』と答えました」

 -本心は。

 「死にたくなかったです」

 -あなたに話した後、部屋に久芳さんを呼びましたね。元被告はどんなことを言った?

 「『うちお金苦しいんや。お金(保険金)残して逝ってくれるか?』と」

 -久芳さんは何て?

 「『分かった』と言ってました」

 -それは本心だと思った?

 「いや、本心ではないと思いました」

 -なぜ「分かった」と言ったと思った?

 「怖かったからだと思います。これまでの(他の人への)虐待を見てるので受け入れたと思います」

 -すぐ死ぬように言ったのか。

 「いえ、すぐじゃないです。美代子は『(家計を)回せるだけ回すから』と言ってました」

 -久芳さんが死ぬことで、保険金を得られる以外のメリットは?

 「久芳さんが亡くなれば(久芳さん名義の)家のローンも無くなるという話が出ていました」

 -(沖縄の)万座毛で飛び降りた場面について。久芳さんが飛び降りたと分かった時、どう思った?

 「『ほんまに行った』と思いました。怖くてできないと思ってました」

 -あなたはどうした?

 「崖の下をのぞいて名前を叫びました」

 -あなたは、久芳さんが死ぬことなく沖縄を出られたと思うか。

 「それはないと思います。沖縄には久芳さんが自殺するために来ていたからです」

◆        ◆

 裁判員や裁判官とのやりとりは次の通り。

 -久芳さんが飛び降りる直前、久芳さんの表情は見た?

 「見てないです。よう見る勇気がなかった、見られなかったです」

 -あなたも「死ねるか」と言われているのに、なぜ久芳さんが選ばれたと思うか。

 「ローンのことが大きかったと思います」

 -久芳さんは元被告にどう扱われていたか。

 「優しくされてました。気にかけてもらってました」

 -あなたに対しては?

 「私も気にかけてもらってたかとは思いますが…。角田家でけんかがあると、僕が美代子との間に入ることが多かったので、美代子にとって僕はうっとうしい存在だったと思います」

2015/12/4
 

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