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尼崎連続変死事件公判

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 尼崎連続変死事件で、角田美代子元被告=自殺時(64)=の親族3人の裁判員裁判第5回公判が21日、神戸地裁で開かれ、2005年7月、沖縄の崖で転落死した角田久芳さん=当時(51)=の事件で、元被告の内縁の夫鄭頼太郎被告(65)らの被告人質問があった。

 鄭被告と弁護側の主なやりとりは次の通り。

 -久芳さんは沖縄で亡くなった。久芳さんを連れて、角田家が沖縄に行くということを知ったのはいつ?

 「車の上に付けるカーキャリアを注文した時、美代子に『これ何に使うんや』と聞くと、『沖縄に行くのに、荷物積むのに注文したんや』と。『沖縄に行くのは何でや』と聞くと、『あんたは黙っとき』と言われました。私は乗り気じゃなかったのですが」

 -乗り気じゃないのはなぜ?

 「自分が死ぬかもしれないなと」

 -あなたが?久芳さんではなくて?

 「(どちらが死ぬかは)半々かなあと思っていました。自分が逝かないといけないかもしれないから気が気じゃなかった」

 -死ぬのが久芳さんと分かったのはいつ?

 「飛び降りた前日。お別れのあいさつをするのに『あ、久芳や』と」

 -別れのあいさつでは、どんなやりとりを?

 「久芳はちょっと涙っぽく『兄ちゃん、きれいな沖縄に連れてきてくれてありがとう』と言い、私も力が及ばんかったもんやから『久芳ごめんな』と答えました」

   ◆  ◆

 鄭被告と検察側との主なやりとりは次の通り。

 -先ほど、弁護側の質問であなたは沖縄に行ってから「自分が死ぬことになるかもしれないと思い、気が気じゃなかった」と答えましたね。

 「はい」

 -「ニシキヘビと記念写真」というファイル名の写真を示します。この写真を見ると、あなた沖縄旅行で金色のニシキヘビを首に巻いてヘビの尻尾をかんで、おどけた感じで写っている。

 「はい」

 -これでも気が気でなかった?

 「はい」

 -前日の別れのあいさつでの「力及ばず」というのはどういう意味?

 「美代子の言う通りにしか動かれへんから、逆らうこともできへんし、私に力があったらこんなことにならへんと」

 -久芳さんは、これから死ぬことについて、どんな気持ちだと思った?

 「その時は私も半信半疑で、久芳がもし逝かれへんかった場合、私が代わりに逝くことになるんちゃうかと」

 -あなたも死ぬのは嫌だった。

 「そうですね」

 -じゃ、久芳さんも死ぬの嫌やろうと。

 「もちろんそうですね」

 -久芳さんはなぜ亡くなったと思うか。

 「美代子から言われてるから仕方なしにとは思いますけど」

2015/5/21
 

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