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 災害時にボランティアの交通費や宿泊費を割り引く「災害ボランティア割引制度」の実現を求め、神戸や東北の有志が活動を始めて17日で半年になる。集めた署名は2万を超えたが、目標の100万は遠い。「ボランティアは自分の金で行くべきだ」という異論をどう乗り越え、制度化につなげるか。関係者は頭を悩ませる。(上田勇紀)

 「正直、もっと集まると思っていた」

 実現する会世話人代表で、ひょうごボランタリープラザ災害支援アドバイザーの高橋守雄さん(66)は打ち明ける。

 今年1月、高橋さんは宮城県名取市の被災者や有識者らと同会を発足。神戸や東京、東北の街頭で署名を集めた。ネットでも呼び掛け、14日までに2万3022人分が集まった。兵庫県では高校単位での賛同もあり数が伸びているが、九州や山陰など11県からは署名がなく、全国的に広がっていない。

 目指すのは、阪神・淡路大震災をきっかけに定着したボランティアを増やすため、遠距離の場合は交通費や宿泊費の一部を国などが助成する仕組み。阪神・淡路に比べ、東日本大震災では低調なことが背景にある。

 超党派でつくる「全国災害ボランティア議員連盟」の協力を得て、議員立法の検討を進めるが、連盟事務局長の細川かをり福井県議(54)は「なぜボランティアに金を出さなければならないのかという意見もあり、まだ時間が必要」と話す。

 実現する会世話人の一人で、神戸学院大3年の森田将伍さん(21)は「夜行バスを使って宮城に3回行ったが、宿代を含め4万円以上掛かった。交通費がネックになっている学生は多い」と訴える。

 室崎益輝・神戸大名誉教授(69)=防災計画学=は「被害が広範囲に及ぶ南海トラフ巨大地震などでは、公助の限界はあきらか。支援に行けない人が、行ける人を支える仕組みが必要だ。『ボランティアは自己完結で』というのは助け合う社会に水を差す」と意義を強調する。

 実現する会は今後、全国社会福祉協議会にも呼び掛け。署名はひょうごボランタリープラザのホームページからもできる。

<生活再建へ、今なお需要>

 東日本大震災から3年4カ月。東北の被災地で求められるボランティアは、震災直後のがれき撤去や泥かきから、コミュニティーづくりのための活動や買い物補助、引っ越しの手伝いなどの生活支援に変わってきている。

 今春、仮設住宅から災害公営住宅への移住が本格化した自治体も多い。岩手県の社会福祉協議会は「ニーズは公営住宅への引っ越しや、お茶会などの交流活動」とする。仙台市若林区の社協も「高齢者の傾聴ボランティアや個人宅の草むしり、海岸の清掃などがありがたい」と期待する。

 しかし、全国社会福祉協議会が把握した東北3県のボランティア数は、2012年に約26万人だったのが、13年は約12万人に半減。減少傾向にある。

 復興庁は今月、夏休み中に学生にボランティアを促すキャンペーンを始めた。担当者は「被災者に寄り添う活動が求められている。ぜひ東北に足を運んでほしい」としている。

2014/7/16

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