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 阪神・淡路大震災から20年を前に、神戸新聞社は、震災で家族・親族を亡くした人たちを対象にアンケートを行った。20年間の気持ちや暮らしの状態をグラフに描いてもらったところ、4割余りの遺族は、今も震災前の水準まで回復していなかった。中にはグラフが底からほとんど上向かない人もおり、心情面を含めた生活の復興が容易でないことがうかがえる。

 アンケートは昨年10月、遺族約900世帯に郵送。188人から回答があり、うち123人がグラフを描いた。グラフは横軸に年、縦軸に心や生活の状態を取り、震災直前を基準(ゼロ)として上側をプラス、下側をマイナスとした。

 グラフを描いた人のうち、震災直前の水準を上回った人(現在の状態がプラス)の割合は42・3%(52人)。ほぼ震災直前の水準まで回復した人も14・6%(18人)いた。

 一方で、現在の状態がマイナスの人は43・1%(53人)に上った。そのうちの約8割は震災以降、ずっとマイナスに沈んだまま。残りの約2割はいったんプラスに回復したものの、再びマイナスに落ち込んでいる。

 グラフには、転機となった出来事も書き込んでもらった。

 気持ちや暮らしが上向くきっかけとして、最も多かったのが「子・孫の誕生」で35・8%(44人)。「子・孫の結婚」「趣味やボランティアに打ち込む」なども多かった。「自宅再建」「仕事の再開・就職」など生活基盤が安定する出来事も上位だった。

 半面、気持ちや暮らしが沈む出来事としては、阪神・淡路の後に起こった「家族の死去」「自分自身の病気・けが」「家族の病気・けが・介護」が目立った。「東日本大震災」を挙げた遺族も1割を超えていた。(武藤邦生)

 【「人とのつながり不可欠」 甲南女子大看護リハビリテーション学部の瀬藤乃理子准教授(医療心理学)の話】子や孫の誕生など家族の増加は、災害の遺族に限らず、気持ちが上向くきっかけとなる。心の復興には、人とのつながりが不可欠だ。一方、震災前まで回復しないとしている遺族が4割に上るが、20年の年月が経過する中、さらに不幸な出来事に見舞われたケースも多く、震災の影響だけなのか判断が難しくなっている。見極めは慎重に行う必要があるだろう。

2015/1/9

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