連載・特集 連載・特集 プレミアムボックス

記事特集

  • 印刷
貴光さんが母に書いた手紙を歌にした奥野勝利さん=大阪府高槻市
拡大
貴光さんが母に書いた手紙を歌にした奥野勝利さん=大阪府高槻市

 阪神・淡路大震災で亡くなった神戸大2年の加藤貴光さん=当時(21)=が生前、母親に宛てた手紙を基に作曲し、歌い続けている音楽家奥野勝利さん(40)=広島県=が1月16日、西宮市プレラホール(高松町)でコンサートを開く。将来への希望や母への感謝の言葉がメロディーで奏でられ、母親も壇上から20年の思いを語り掛ける。(斉藤絵美)

 貴光さんは震災の2年前、国連職員を目指し同大法学部へ。入学直前、西宮市内の下宿先を訪れた母親のりつこさん(66)=同=に1通の手紙を渡した。

 「親愛なる母上様」から始まる大学ノートを切った1枚の用紙。

 「私はあなたから多くの羽根をいただいてきました。人を愛すること、自分を戒めること、人に愛されること…。(中略)あなたの、そしてみんなの希望と期待を無にしないためにも、力の続く限り翔び続けます」

 しかし、震災で下宿先のマンションが倒壊し、貴光さんは圧死した。手紙は形見となった。

 奥野さんは2007年、インターネット上で手紙の存在を知り、メロディーを付けて曲に仕上げた。08年からはりつこさんとコンサートを開く機会もあったが、「歌う度に、りつこさんを泣かせているようでつらかった。逃げ出したいと思ったこともあった」と話す。転機となったのは、東日本大震災で被災地支援に携わったことだった。「当事者ではなくても、よそ者として寄り添う役割がある」と思えるようになった。

 16日にはりつこさんも出演する。「一人息子を失い、20年間ずっと苦しい思いで過ごしてきた。心の歩みを話したい」。奥野さんは「日常で忘れがちな優しさや周りの人に声をかける勇気を、思い返すきっかけにしてもらえれば」と話している。

 先着300人。午後6時半~8時。500円(12歳未満無料)。プレラホールTEL0798・64・9485

2014/12/25

天気(3月29日)

  • 13℃
  • ---℃
  • 0%

  • 11℃
  • ---℃
  • 20%

  • 14℃
  • ---℃
  • 0%

  • 13℃
  • ---℃
  • 10%

お知らせ