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 阪神・淡路大震災で母と姉を亡くした看護師の千代田健志さん(24)=岡山県倉敷市=が昨年春、父親になった。震災後は長崎県・五島列島の祖父母に育てられた千代田さん。20年の節目となる今年1月17日には、新たに築いた家族3人で、母と姉の名が刻まれた神戸・東遊園地の「慰霊と復興のモニュメント」を訪れ、息子の誕生を報告する。(斉藤絵美)

 マンションで家族と暮らす千代田さん。休日には妻の生子(せいこ)さん(29)とともに長男の陽登(ひなと)君をあやす。「太陽がのぼるように、すくすくと育ってほしい」。そう思いを込めた息子は8カ月になった。

 20年前。母ときょうだい4人で暮らしていた宝塚市内のアパートは倒壊。母のさと子さん=当時(32)=と姉の萌ちゃん=同(6)=が亡くなった。4歳だった千代田さんは7歳上の兄と双子の弟とともに、さと子さんの両親に引き取られた。

 2009年、正看護師を目指し神戸市長田区の専門学校へ入学。「祖父母に育てられたから、お年寄りを助ける職業に就きたかった」。12年からは岡山市内の病院で勤務する。

 専門学校で知り合った生子さんと同年11月に結婚。14年5月5日に陽登君が生まれた。

 息子の誕生を機に、女手一つで育ててくれた母をこれまで以上に誇りに思うようになった。一方で「幼い僕たちを置いて亡くなったのは無念だったと思う」と千代田さん。生子さんは「働きながらどうやって4人の子どもを育てたのか聞きたかった。相談したかった」と話す。

 親代わりだった祖父は11年に他界。ひ孫の誕生を喜ぶ祖母の姿を見て、千代田さんは「じいちゃんにも見せたかったな」。

 母親はよく「人に感謝する気持ちを忘れないように」と教えてくれていたと聞かされた。息子にも同じことを伝えたい。そして「息子から誇りに思ってもらえるような人間になりたい」と心に誓っている。

 1月17日には3人で神戸を訪れる。「子どもも無事に成長しているよ。安心してな」。母と姉にそう伝えるつもりだ。

2015/1/7

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