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 「苦労したんだなあ。本当にみなさん、ご苦労さまでした」。20年前、阪神・淡路大震災で甚大な被害を受けた神戸市長田区で撮影された映画「男はつらいよ 寅次郎紅の花」のラストシーンで、故渥美清さんが被災者にかけた言葉だ。山田洋次監督(83)が16日、神戸新聞社のインタビューに応じ、このせりふにまつわる記憶や20年後の被災地への思いなどを語った。(黒川裕生)

 15日には、震災を語り合う市民のつどいに出席した山田監督。ロケを誘致した長田の人たちとも再会した。

 「20年もたつのに、あんなにたくさん来てくれるなんて思ってもみなかった。当時は花や線香がまだあちこちの焼け跡にあってね。申し訳ない気持ちで撮影した。でも、本当に撮ってよかった」

 「ご苦労さま」はシリーズを通じた寅さんの口癖のようなもの。それが被災者たちの胸を打ち、震災後を生きる励みになった。

 「僕の脚本というより、渥美さんという人が持っている言葉。大切な人を失いながら、よくぞこの日までたどり着けましたね、という万感の思いを込めて言ったように感じた」

 被災地は美しく生まれ変わった。だが、山田監督はその街並みに複雑な感慨を抱く。

 「僕がイメージする平和で穏やかな街は、ごちゃごちゃしてにぎやかな『寅さん』のような暮らしの集まりなんだ。震災後、隣近所のつながりや情愛が失われていないか気がかりだなあ。復興はこれでよかったのか。おそらく正解はないけど、これからも考え、苦しまないといけないんだろうね」

2015/1/17

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