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心を込めて手紙を書く生徒たち=香川県琴平町、琴平高校
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心を込めて手紙を書く生徒たち=香川県琴平町、琴平高校

 香川県立琴平高校(同県琴平町)の生徒が神戸の復興住宅に住む人たちに手紙を毎月書き続け、近く10年になる。独り暮らしの被災者らを励まそうと始めた文通だが、やりとりに「学ぶことが多い」と生徒たち。年に2回は会いに行き、「神戸のじいちゃん、ばあちゃん」との交流を楽しみにしている。(上田勇紀)

 「こんぴらさん」で知られる町にある琴平高校。毎月17日前後の放課後、同好会「とらすとK」の部員32人が集まり、約2時間ペンを走らせる。

 こたつが恋しい季節になりました。お元気でお過ごしでしょうか? わたしは最近、風邪をひいてしまいました。塩月さんは大丈夫ですか?

 2年生の林莉沙(りさ)さん(16)が手紙を書くのは、神戸市中央区・HAT神戸の復興住宅に住む塩月時佳(ときよし)さん(80)。6月に妻を亡くし、独り暮らしになった。生徒からの手紙は大切に置いている。塩月さんは「かわいい孫みたいなもん。神戸に来てくれる時は、本当にうれしい」とほほえむ。

 活動の始まりは2005年。復興住宅を取り上げたテレビ番組を見て、女子生徒が「手紙を出したい」と声を上げた。神戸市東灘区のNPO法人「よろず相談室」が仲介役となり、文通が始まった。

 「とらすとK」は、琴平と神戸の二つの「K」を信頼(トラスト)で結ぶという意味。いま、約140人の高齢者らに手紙を書き、半数程度から返事が来る。

 2年の千葉詩織さん(16)は文通相手の男性(79)の体調が気掛かりだ。9月に会った時、歩くのもつらそうに見えた。手紙ではあえて病気を話題にせず、テスト勉強を頑張っていることを書いた。「震災のことは何も知らなかったけど、直接話を聞いて、すごいことが起きたんやと感じた。これからも元気でいてほしい」

 東日本大震災後は、東北の被災者にも手紙を送る。金丸仁美教諭(50)は「阪神・淡路後に生まれた子たちも、災害が繰り返し起こることや地域付き合いの大切さを学んでいる」と見守る。卒業後、看護師を目指す生徒もおり、「将来に向けた視野も広がっている」という。

 部員らは来年1月17日、神戸を訪れ、東遊園地の追悼行事に参加する。復興住宅の住民との交流も予定している。

2014/12/27

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