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追悼のことばを述べる銘田奈津紀さん=17日午前6時8分、神戸市中央区の東遊園地(撮影・斎藤雅志)
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追悼のことばを述べる銘田奈津紀さん=17日午前6時8分、神戸市中央区の東遊園地(撮影・斎藤雅志)

 神戸市などが主催する「1・17のつどい」の会場となった神戸・三宮の東遊園地には、夜明け前から約1万4千人が集まった。

 竹灯籠のろうそくに1本ずつ火がともされると「1995 1・17」の文字が浮かび上がり、午前5時46分に黙とう。式典では、母を亡くした銘田(めいだ)奈津紀さん(26)=同市東灘区=が遺族代表で、西宮市職員の小川和昭さん(20)=神戸市灘区=が新成人代表でそれぞれ言葉を述べた。

 久元喜造市長は「備えを怠らず、安全な街を築く」と表明。東日本大震災の犠牲者を追悼するため、午後からは竹灯籠で「3・11」と描く。(田中陽一)

【遺族代表のことば】

<銘田奈津紀さん(26)>

 阪神・淡路大震災から20年となった17日、神戸市内では同市などによる「1・17のつどい」と、5年ぶりの追悼式典を含む「ひょうご安全の日のつどい」(兵庫県など主催)が開かれた。各会場で参列者が静かに手を合わせ、6434人の犠牲者を追悼。過ぎた時間に思いをはせながら、記憶と教訓を次代に語り継ぐ決意をあらためて胸に刻んだ。

 目が覚めると外はまだ薄暗く、そこにあるはずの窓はなく、目の前には電線がありました。家がきしみ家具が倒れる音、ガラスや食器が割れる音。当時のことは、20年たった今でもはっきり覚えています。

 揺れがおさまり、姉とともに必死に叫びました。「ママ、助けて」「ママ、大丈夫?」。しかし、隣の部屋で眠っていたはずの母の声は、どれだけ待っても聞こえてきませんでした。母は倒れてきた柱が頭部を直撃し、即死だったそうです。

 大好きだった母との思い出の一つに、髪の毛を乾かし合ったことがあります。その時間、その空間はとてもあたたかく、思い出すのはにっこりほほ笑んでいる母。くせ毛だった母の髪をまっすぐにしようと、何度もといた記憶があります。

 震災後、祖父母に引き取られた私はご飯を食べるとき、お風呂に入るとき、テレビを見て眠るまで、いつも祖母と一緒でした。

 小学校中学年のころに美容室でカットをしてもらい、初めて美容師という職業に出合いました。髪の毛を触ってもらうのが大好きで、鏡に映る自分は心からの笑顔でした。

 悩んだり、悲しんだり、苦しんだり、つらいときにこそ笑顔になってほしい。たくさんの人を笑顔にしたくてなったはずの美容師ですが、今ではたくさんのお客さまに、毎日私が笑顔にしてもらっています。

 家族や友達、いつもそばにいてくれる方々のおかげで、今を生きることができています。生きることはすごく難しく、つらいときもあります。どんなときも人は1人ではない、1人では生きていけない。そう教えてくれたのも母です。これからも「夢」を持ち続け、母の分も強く生きようと思います。(要旨)

【新成人のことば 】

<小川和昭さん(20)>

 「阪神・淡路大震災を体験した最後の世代」。物心ついたころからそう言われ続けてきました。しかし、当時の記憶はありません。家族や恩師の話を聞くたび、自然災害の恐ろしさ、やり場のない悲しみを感じましたが、震災は歴史の教科書に載っている出来事のように遠い存在でした。

 しかし、東日本大震災で、つらいことから目を背けるだけではいけないと実感させられました。全国各地から被災地に駆け付けるボランティアの映像を見て、「阪神・淡路大震災当時も、助けてくださった方が全国にいらっしゃる。私は全国の方々に生かされている」と気付きました。

 人と人とのつながりや、絆の大切さを次の世代に伝えていくことが使命だと感じています。すべての人への感謝の気持ちを決して忘れず、これからの新しい神戸を築いていきます。(要旨)

【追悼のことば】

<久元喜造・神戸市長>

 あれから20年が経過し、阪神・淡路大震災を知らない市民が4割を超えました。今を生きる私たちの責務は震災を風化させず、鎮魂の気持ちを持ち続けるとともに、経験や知識、想(おも)いを継承することだと強く感じます。

 神戸は国内外の支援のおかげで復興することができましたが、東日本大震災の被災地では依然、多くの方が不自由な生活を送っています。私たちは感謝の気持ちを忘れることなく、防災や減災、安全、健康の分野で他都市に貢献し続ける都市でありたい。

 災害への備えを怠らず、安全な街を築くことを決意します。(要旨)

2015/1/17

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