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こたつを挟んで上野政志さん(左)の話を聞く田中謙太郎さん(右)、吉良崇志さん=佐用町東徳久
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こたつを挟んで上野政志さん(左)の話を聞く田中謙太郎さん(右)、吉良崇志さん=佐用町東徳久

 阪神・淡路大震災で学生と教職員47人が亡くなった神戸大(神戸市灘区)の学生報道サークルが、毎年発行している震災特集号を14日に発行する。20歳前後の部員の多くは、直接的な震災の記憶がない。当初は取材することに戸惑いも感じつつ、遺族らが抱える悲しみをノートに書き取るうち、「自分の大学で起こったことを同世代に伝えたい」と思うようになった。

 1995年6月に発足した「神戸大学ニュースネット委員会」。年5回の学内新聞を発行し、毎年1月号で震災特集を載せ、17日前後に神戸大の慰霊碑前である追悼行事でも配っている。

 昨年12月下旬、部員の田中謙太郎さん(21)は後輩の吉良崇志さん(20)と一緒に、震災で神大生の長女・志乃さん=当時(20)=を亡くした佐用町の上野政志さん(67)を訪ねた。伊丹市出身の吉良さんにとっては初めての震災取材。「つらい話を聞き出して、心の傷を広げてしまったらどうしよう」と気後れしていた。

 上野さんは地元名物のホルモン焼きうどんを2人に振る舞い、絵が得意で、バイトや授業に打ち込んだ志乃さんのことを静かに語った。「娘を知ってもらうことで、今も生きているように感じられる」「でも、冬が来るとお正月も喜べない」。複雑な胸中を5時間かけて語り、吉良さんはメモを取り続けた。

 「僕らは20年前を知らない世代。特集を続けることに消極的な声も出るが、取材する中で変わる部員は多い」と田中さん。吉良さんは年末年始も編集作業を続けた。「上野さんの強い思いに触れ、あらためて伝えたいと思った。同世代が防災に関心を持つきっかけにもなれば」

 特集号では、遺族や専門家のインタビュー記事のほか、大学の被災当時の様子や1人暮らしの学生向けの防災知識などを載せる。

(岩崎昂志)

2015/1/10

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