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診察室で、完成した本を手にする中條さん(左)と母恵子さん=大阪府寝屋川市
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診察室で、完成した本を手にする中條さん(左)と母恵子さん=大阪府寝屋川市
市立加西病院に勤務していた中條聖子さん(1993年ごろ)
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市立加西病院に勤務していた中條聖子さん(1993年ごろ)

 阪神・淡路大震災で犠牲になった神戸市東灘区の内科医中條(ちゅうじょう)聖子さん=当時(29)=の生きざまを描いた本が17日、出版される。自身も医師として診療を続ける姉〓子(てつこ)さん(56)が、震災20年を前に遺品整理しながら執筆した。「あの子の生きた証しを発信したい」と話す。(上田勇紀)

 聖子さんは市立加西病院を経て神戸大学医学部付属病院に勤務。東灘区の自宅で激震に遭い、本棚の下敷きになって亡くなった。童話作家の夢を持ち、激務の合間を縫って創作に励んだ。その一つ「森のかんづめ」は震災後に出版され、東日本大震災の被災地でも読み継がれる。

 姉の〓子さんは、大阪府寝屋川市で内科皮膚科を開業。診察室には、白衣でほほえむ遺影がある。7歳離れていたが、友だちのような関係だった。「遺影を見ると二人三脚で診療に当たっている感じがして、心強い」と笑顔を見せる。

 出版社の勧めもあり、2年がかりで原稿を書いた。段ボール箱に入った数多くの遺品を見返すたびに思った。「高校のころのノートや参考書にはびっしりとメモ書きがあった。患者さんのリポートにしろ、研究論文にしろ、すべてに真面目だったんだなあって…」。29年を駆け足で生き抜いた妹。いとおしさが募る。

 昨年8月には、父秀信さんが88歳で亡くなった。聖子さんの愛車だったマツダのルーチェに乗り、「運転席に座ると、聖子といる気がする」とよく話していた。母恵子さん(78)は「あの子のためにしてやりたいことは、もっとあったのに」と悔やむ。

 本の題名は「聖子 夢は終わらない」。〓子さんは「妹と父の夢を背負って生きたい」と話した。神戸市中央区の出版社エピックから発行。B6判、223ページ。1620円。エピックTEL078・241・7561

(注)〓は「かねへん」に「矢」

2015/1/9

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