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友人たちと記念撮影を楽しむ浦田楓香さん(左端)=12日午後、神戸市兵庫区のノエビアスタジアム神戸(撮影・中西幸大)
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友人たちと記念撮影を楽しむ浦田楓香さん(左端)=12日午後、神戸市兵庫区のノエビアスタジアム神戸(撮影・中西幸大)

 阪神・淡路大震災からの20年は、今年の新成人が生まれてからの20年でもある。「成人の日」の12日、阪神間の各自治体で成人式が開かれた。「生きてて良かった」「自分の経験を伝えたい」-。式典に臨んだ若者たちは、あらためて来し方を振り返り、未来を見つめた。

 神戸市の会場には、震災で母智美さん=当時(19)=を亡くした同市灘区の短大生浦田楓香さん(20)も臨み、晴れやかな笑顔を見せた。祖父母に姉だと聞かされていた「ともちゃん」の年を追い越し、最近は東日本大震災の被災地などで経験を語る機会も増えた。「これからも伝えていきたい」。震災前に生を受けた最後の世代として、使命感が芽生え始めた。

 「ちょっと話があんねん」。小学3年のとき「オカン」の明美さん(66)に打ち明けられた。オトンとオカンは楓香さんの祖父母で、震災で亡くなった姉のともちゃんが本当の母親だと。「おばあちゃんって呼んでもいいで」と気持ちを探る明美さんに、楓香さんは即答した。「オカンはオカンやん」

 全壊した同市兵庫区の文化住宅で、智美さんは命を落とした。父に守られ助かった楓香さんは生後4カ月。祖父母は引き取ることを決めた。父はそのうち姿を見せなくなった。

 震災遺児を支援する神戸レインボーハウス(同市東灘区)には小学2年から通い、かけがえのない仲間との出会いがあった。

 東日本大震災後は、その仲間たちと東北を訪問。「神戸から来てくれたことが希望になる」と喜ばれた。津波にのまれた我が子に代わって孫を育てる夫婦には、自分の境遇を語った。

 昨年と今年、神戸レインボーハウスの追悼式でともちゃんに宛てた手紙を読んだ。「ともちゃんの年齢を越えたら、何でもできる気がします」。母が生きられなかった日々を、力強く歩み始めている。

(黒川裕生)

2015/1/12

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