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 阪神・淡路大震災で母と弟を亡くした小学校教師、長谷川元気さん(28)=神戸市東灘区=が2日、神戸市内で開かれた防災ワークショップで自らの経験を語った。今春、震災の語り部グループに入って初の講演で、「大切な人が生きているのは当たり前のことじゃない。後悔しないよう感謝の気持ちを伝えてほしい」と呼び掛けた。(上田勇紀)

 「お母さーん」。いくら呼んでも返事がない。なぜか急に寒気が襲ってきた-。

 中高生や大学生ら14人が参加したワークショップ。長谷川さんは中学生の時に書いた作文を読み上げた。

 震災当時は小学2年生。同市東灘区のアパートが全壊し、母規子(のりこ)さん=当時(34)=と、末の弟翔人(しょうと)ちゃん=同(1)=が亡くなった。自らも崩れた建物に閉じ込められ、壁に穴を開けて脱出した。

 父博也さん、上の弟陽平さんと、自宅近くの公園で声を上げて泣いた。そして襲ってきた激しい後悔。どうしてもっとお母さんをいたわったり、翔人と遊んであげたりしなかったんだろう…。

 担任の先生の励ましで少し前を向けた。その背中を追い、教師を目指した。

 20年の歩みを伝える長谷川さんの言葉を反すうしながら、参加者は3時間かけ、印象に残った場面を計16枚の絵で表現した。

 今年3月、神戸を拠点に震災の教訓を伝える「語り部KOBE1995」の代表に誘われ、メンバーに加わった。息子を亡くした男性らと語り、酒を酌み交わすうち、「語ることで楽にはならない。でも、少しでも聞いてもらう人のためになれたら」という気持ちが芽生えた。

 講演を終え、「緊張したけど、伝わったかな」。ほっとした表情を見せた長谷川さん。神戸市立御影中学校2年の女子生徒(14)は「もっと家族を大切にしたいと思った」と話した。

 自宅には、今も2人のお骨が置かれている。語り部としての第一歩を、仏前に報告するつもりだ。

2014/11/3

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