阪神・淡路大震災から20年に合わせ、東日本大震災による津波で母を亡くした宮城県女川町出身の慶応大2年阿部真奈さん(20)=東京都=が17日、神戸市中央区のNPO法人事務局で体験を語った。ボランティアら約50人を前に「震災が風化しないよう、同じ被災者の神戸の皆さんと一緒に記憶を発信したい」と呼び掛けた。
宮城県南三陸町などで支援活動を続けるNPO法人などの共同体「ユナイテッド・アース」が企画した。
阿部さんは2011年3月11日、海岸から約2キロ内陸の自宅で地震に遭い、外に出て母とともに津波に流された。木材につかまって浮いていたが、強い引き波で母と離れ離れになってしまった当時の状況を説明。「何度も死ぬのかなと思った」と振り返った。
この日早朝、神戸・三宮の東遊園地であった「1・17のつどい」に足を運んだという阿部さん。「神戸の方々が主体的に追悼に関わっている姿に驚いた。女川でもそんな活動ができれば」と話した。(宮本万里子)