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山口組分裂騒動

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かばん型防護板で守られ会合に出席する神戸山口組幹部。突発的な襲撃に備えるかのようだ=13日、淡路市志筑
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かばん型防護板で守られ会合に出席する神戸山口組幹部。突発的な襲撃に備えるかのようだ=13日、淡路市志筑

 「山口組は家族です」「(離脱派の)若者に責任など何一つありません」

 山口組総本部が11月に組員限定で配った「山口組新報」。巻頭で最高幹部がそう記し、山口組に戻るよう離脱派の組員を説得してほしいと続けた。上下関係に厳しいイメージとかけ離れた言葉遣いに焦りがにじむ。

 山口組を離れた直系組長13人で発足した神戸山口組は新たな離脱者などを迎え、20人にまで増加。一方、山口組は直系組長73人が56人に減ったとされる。

 過去に暴力団を「永久追放」された元組長らを双方が呼び戻す。トップの意向に反し、傘下組員が敵対組織に移る-。いずれも「従来の“常識”では考えられない」と捜査員も驚く。なりふり構わぬ勢力争いが続く。

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 緊張が高まるほど地域には不安が広がる。

 9月中旬、神戸市長田区明泉寺町1にある山口組の直系組織拠点。外向けに据えられた監視カメラが増え、1階の窓が突如板で覆われ、光もほとんど漏れてこない。「抗争への準備ではないのか」と住民は表情を曇らせる。

 一方の神戸山口組は直系組長の会合場所を次々に変更。これまでに神戸市内3カ所と淡路市で開いたが、本拠地をどこに置くかはいまだに見えない。

 今月13日、淡路市であった年納めの会合。一見して組関係者と分かる男たちが次々に車で到着した。「ここが本部になるんか」「近づいたらあかん」。物々しい雰囲気に、一部の住民は日曜の外出を控えることを余儀なくされた。

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 不透明で複雑な動向が暴力団以外にも影響する。インターネット上に「○○が離脱」「○○加入」など真偽不明の情報が流れ、そのたびに抗争を煽(あお)る書き込みが相次ぐ。

 勢力図の変化は目まぐるしく、管内に大規模な暴力団組織のある警視庁や愛知県警などは独自に捜査員を神戸入りさせ、最新の情報を探る。

 二つの山口組が並び立つ兵庫に、全国の視線が注がれる。

2015/12/20

【山口組の分裂】

 2015年8月27日、全国最大規模の指定暴力団山口組(総本部・神戸市灘区)から、直系13団体が離脱し、「神戸山口組」を結成した。「山健組」(神戸市中央区)の井上邦雄組長がトップに就き、淡路市にある直系団体「俠友会」事務所を本拠地とした。

 分裂の背景には、篠田建市(通称・司忍)組長の出身母体「弘道会」(名古屋市)を優遇する組織運営や、高額な上納金制度などへの反発があったとされる。

 双方の衝突が相次ぎ、警察庁は16年3月に「対立抗争状態」と認定。兵庫県公安委員会は同年4月に神戸山口組を暴力団対策法に基づく「指定暴力団」とした。同年末の構成員数は山口組約5200人、神戸山口組約2600人だった。

 一方、神戸山口組では17年4月に一部組長らが離脱して「任俠団体山口組」(後に「任侠山口組」に改称)の結成を表明した。対立は三つどもえの構図となったが、警察庁は「神戸山口組の内紛」との見方を示しており、構成員数は不明。

 山口組と神戸山口組が分裂してから約2年間で、双方の衝突は約100件発生。神戸山口組と任侠山口組の間でも2件の傷害事件などがあったほか、17年9月12日には、神戸市長田区にある、任侠山���組・織田絆誠代表の自宅付近で、代表らが乗った車を神戸山口組の組員が襲撃。降りてきた任侠側の組員を射殺する事件が起きた。

 兵庫県警は17年5月、全部署から構成する「歓楽街緊急対策本部」を設け、その実働部隊として歓楽街特別暴力団対策隊(特暴隊)を発足させた。「みかじめ料」名目で飲食店などから金を脅し取っていたとして組員を逮捕するなど資金源の遮断にも乗り出している。

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