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山口組分裂騒動

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「暴力団は出て行け」。山口組直系団体の拠点施設の立ち退きを求め、地域を行進した住民ら=3日、神戸市長田区
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「暴力団は出て行け」。山口組直系団体の拠点施設の立ち退きを求め、地域を行進した住民ら=3日、神戸市長田区

 指定暴力団山口組と暴力団神戸山口組との衝突は、先月7日に「対立抗争」状態と認定されて以降、全国で約20件に上る。うち3件は両団体の本拠地がある兵庫県内で発生し、県警は通学路の安全対策を要請する学校を当初の約20校から約50校に拡大するなど警戒レベルを引き上げた。暴力団排除に向けた活動も官民で動き始めている。

 両団体の衝突で目立つのが、トラックなど大型車による組事務所への突入だ。神戸・三宮でも3月19日未明、ダンプカーが神戸山口組系事務所に突っ込んだ。「拳銃を使うより罪が軽く、敵対相手に与える経済的な打撃は大きい」。捜査関係者が背景を語る。

 盗難車が使われるケースも多く、県内の建設会社約600社が加盟する県建設業暴力追放協議会は3月末、「夜間無人になる工事現場に車を止めない」などの注意点を広報紙で周知した。担当者は「大型車が抗争に使われれば、市民に大きな被害が出かねない」と危機感を募らせる。

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 子どもの安全対策は最重要課題だ。県警は抗争状態と認定された翌日の3月8日、通学路周辺に組関連施設がある神戸、姫路、尼崎市の小中学校約20校に対し、教員らの付き添いによる集団登下校や通学路の迂回(うかい)などを要請した。

 さらに19日以降、3日連続でトラブルが相次いだため、要請の範囲を神戸側の本拠地がある淡路や洲本、加古川、西脇の4市にも広げ、新たに約30校を対象に加えた。

 暴力団排除の動きも活発化しつつある。神戸市長田区明泉寺町の周辺住民は今月3日、地元にある山口組直系団体の拠点撤去を求め、2年ぶりに決起大会を開催。子育て中の母親らが「安心して暮らせるよう早く出て行って」と訴えた。

 県外ではさらに踏み込んだ対応をする自治体も。水戸市は3月、市立小学校近くの組事務所で発砲事件などが続いたため、安全に関する学校の設置者の責務を定めた学校保健安全法に基づき、使用禁止を求める仮処分を水戸地裁に申し立てた。

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 これまでのトラブルは主に組関連施設が狙われていたが、捜査員は「標的が特定の『人』に変われば、どこで何が起きてもおかしくない」と懸念する。

 死傷者約100人が出た山一抗争(1985~87年)は、交際相手のマンションを訪ねた4代目山口組組長への銃撃がきっかけとなった。

 両団体の上層部が報復を控えるよう組員に指示したとの情報もあるが、県警幹部は「緊張関係が解消されるわけではない」とし、双方の動向に神経をとがらせる。

2016/4/7

【山口組の分裂】

 2015年8月27日、全国最大規模の指定暴力団山口組(総本部・神戸市灘区)から、直系13団体が離脱し、「神戸山口組」を結成した。「山健組」(神戸市中央区)の井上邦雄組長がトップに就き、淡路市にある直系団体「俠友会」事務所を本拠地とした。

 分裂の背景には、篠田建市(通称・司忍)組長の出身母体「弘道会」(名古屋市)を優遇する組織運営や、高額な上納金制度などへの反発があったとされる。

 双方の衝突が相次ぎ、警察庁は16年3月に「対立抗争状態」と認定。兵庫県公安委員会は同年4月に神戸山口組を暴力団対策法に基づく「指定暴力団」とした。同年末の構成員数は山口組約5200人、神戸山口組約2600人だった。

 一方、神戸山口組では17年4月に一部組長らが離脱して「任俠団体山口組」(後に「任侠山口組」に改称)の結成を表明した。対立は三つどもえの構図となったが、警察庁は「神戸山口組の内紛」との見方を示しており、構成員数は不明。

 山口組と神戸山口組が分裂してから約2年間で、双方の衝突は約100件発生。神戸山口組と任侠山口組の間でも2件の傷害事件などがあったほか、17年9月12日には、神戸市長田区にある、任侠山���組・織田絆誠代表の自宅付近で、代表らが乗った車を神戸山口組の組員が襲撃。降りてきた任侠側の組員を射殺する事件が起きた。

 兵庫県警は17年5月、全部署から構成する「歓楽街緊急対策本部」を設け、その実働部隊として歓楽街特別暴力団対策隊(特暴隊)を発足させた。「みかじめ料」名目で飲食店などから金を脅し取っていたとして組員を逮捕するなど資金源の遮断にも乗り出している。

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