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山口組分裂騒動

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軽乗用車が突っ込んだ建物やその周辺を調べる捜査員ら=7日午前10時ごろ、神戸市長田区五番町3
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軽乗用車が突っ込んだ建物やその周辺を調べる捜査員ら=7日午前10時ごろ、神戸市長田区五番町3
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 指定暴力団「絆会」の織田絆誠代表(神戸市長田区五番町3)の自宅に車が突っ込み、男が逃走した事件で、兵庫県警暴力団対策課と長田署は7日、建造物損壊の疑いで、大阪市生野区に住む無職の男(38)を逮捕した。県警は特定抗争指定暴力団「山口組」など他団体との抗争事件の可能性があるとみて調べる。

 逮捕容疑は6日午後9時45分ごろ、織田代表の自宅に軽乗用車でバックしながら突っ込み、金属製の玄関扉などを壊した疑い。同署の調べに「私が一人でやったことに間違いない」と容疑を認めているという。

 捜査関係者によると、自宅にいた織田代表を含めてけが人はなかった。男は7日午前0時半ごろ、長田署を訪れて「出頭しに来ました」と話し、関与をほのめかしたという。

 絆会は2017年に特定抗争指定暴力団「神戸山口組」から離脱し、前身である任侠山口組を結成。20年に現在の名称に変更した。

 神戸市北区では5日、神戸山口組の組長の自宅で弾痕が見つかる事件が発生。出頭した別の男が拳銃を所持した銃刀法違反容疑で逮捕され、県警は発砲した疑いでも調べている。

 今年に入り、全国で暴力団事務所や幹部の自宅が狙われる事件が相次いでおり、山口組の分裂を巡る抗争の激化が懸念されている。

2022/6/7
 

【山口組の分裂】

 2015年8月27日、全国最大規模の指定暴力団山口組(総本部・神戸市灘区)から、直系13団体が離脱し、「神戸山口組」を結成した。「山健組」(神戸市中央区)の井上邦雄組長がトップに就き、淡路市にある直系団体「俠友会」事務所を本拠地とした。

 分裂の背景には、篠田建市(通称・司忍)組長の出身母体「弘道会」(名古屋市)を優遇する組織運営や、高額な上納金制度などへの反発があったとされる。

 双方の衝突が相次ぎ、警察庁は16年3月に「対立抗争状態」と認定。兵庫県公安委員会は同年4月に神戸山口組を暴力団対策法に基づく「指定暴力団」とした。同年末の構成員数は山口組約5200人、神戸山口組約2600人だった。

 一方、神戸山口組では17年4月に一部組長らが離脱して「任俠団体山口組」(後に「任侠山口組」に改称)の結成を表明した。対立は三つどもえの構図となったが、警察庁は「神戸山口組の内紛」との見方を示しており、構成員数は不明。

 山口組と神戸山口組が分裂してから約2年間で、双方の衝突は約100件発生。神戸山口組と任侠山口組の間でも2件の傷害事件などがあったほか、17年9月12日には、神戸市長田区にある、任侠山口組・織田絆誠代表の自宅付近で、代表らが乗った車を神戸山口組の組員が襲撃。降りてきた任侠側の組員を射殺する事件が起きた。

 兵庫県警は17年5月、全部署から構成する「歓楽街緊急対策本部」を設け、その実働部隊として歓楽街特別暴力団対策隊(特暴隊)を発足させた。「みかじめ料」名目で飲食店などから金を脅し取っていたとして組員を逮捕するなど資金源の遮断にも乗り出している。

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