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山口組分裂騒動

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近く解体工事が始まる真鍋組の事務所=7日午前、尼崎市戸ノ内町3
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近く解体工事が始まる真鍋組の事務所=7日午前、尼崎市戸ノ内町3
解体が始まる真鍋組事務所の玄関。「Ikeda」の文字と公示書が貼られている=尼崎市戸ノ内町3
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解体が始まる真鍋組事務所の玄関。「Ikeda」の文字と公示書が貼られている=尼崎市戸ノ内町3
近く解体工事が始まる真鍋組の事務所=7日午前、尼崎市戸ノ内町3
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近く解体工事が始まる真鍋組の事務所=7日午前、尼崎市戸ノ内町3
報道陣の前で会見する任侠山口組の最高幹部ら=2017年8月27日午前、尼崎市戸ノ内町3
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報道陣の前で会見する任侠山口組の最高幹部ら=2017年8月27日午前、尼崎市戸ノ内町3
真鍋組事務所の前で、市民ら約350人が集まり暴力団追放を訴えたパレード=2018年4月
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真鍋組事務所の前で、市民ら約350人が集まり暴力団追放を訴えたパレード=2018年4月

 指定暴力団「絆会」(旧・任侠山口組)が本部としてきた傘下組織「真鍋組」の事務所(兵庫県尼崎市戸ノ内町3)について、近く解体工事が始まり、年内にも更地になる見通しとなった。市内では今秋、絆会の拠点となっていた別の暴力団事務所も解体されたばかり。山口組の分裂抗争が終結しない一方で、事務所撤去の動きが続いている。

 白を基調とした大理石調の玄関ホールに金縁の大きな鏡があり、2階に二つの階段が続く。2階和室の広間には「任侠一筋」などの書が飾られ、隣の応接間には山口組の綱領が掲げてある-。

 真鍋組の事務所では2017年8月、神戸山口組の離脱者による任侠団体山口組(現在の絆会)の記者会見が開かれた。広間に中心メンバー6人が並び、神戸新聞を含む報道機関の記者らに対し、結成の経緯や自分たちの正当性を訴えた。

 事務所は絆会の本部として使われたが、18年9月に神戸地裁が使用を差し止める仮処分を決定。3年以上にわたり組関係者が立ち入れない状況が続き、今年10月に県警や暴力団追放兵庫県民センターの仲介で民間事業者へ売却された。

 県警によると、事務所は少なくとも約50年前から現在の場所にあったという。

 登記上は鉄筋コンクリート2階建て。1994年には、尼崎のアサヒビール名誉会長宅に火炎瓶が投げ込まれた事件の関係先として家宅捜索を受けた。また2012年には建築確認を受けずに屋上へ部屋を増築したとして、建築基準法違反の疑いで真鍋組の組長(当時)ら2人が逮捕される事件も起きている。

 尼崎市内には多くの暴力団施設が集まっていたが、今年4月には発砲事件のあった山口組系の組幹部宅を市が買い取り、全国初の事例として注目された。絆会が最初に定例会を開いた傘下組織「古川組」の事務所も今秋に解体されている。

2021/12/7
 

【山口組の分裂】

 2015年8月27日、全国最大規模の指定暴力団山口組(総本部・神戸市灘区)から、直系13団体が離脱し、「神戸山口組」を結成した。「山健組」(神戸市中央区)の井上邦雄組長がトップに就き、淡路市にある直系団体「俠友会」事務所を本拠地とした。

 分裂の背景には、篠田建市(通称・司忍)組長の出身母体「弘道会」(名古屋市)を優遇する組織運営や、高額な上納金制度などへの反発があったとされる。

 双方の衝突が相次ぎ、警察庁は16年3月に「対立抗争状態」と認定。兵庫県公安委員会は同年4月に神戸山口組を暴力団対策法に基づく「指定暴力団」とした。同年末の構成員数は山口組約5200人、神戸山口組約2600人だった。

 一方、神戸山口組では17年4月に一部組長らが離脱して「任俠団体山口組」(後に「任侠山口組」に改称)の結成を表明した。対立は三つどもえの構図となったが、警察庁は「神戸山口組の内紛」との見方を示しており、構成員数は不明。

 山口組と神戸山口組が分裂してから約2年間で、双方の衝突は約100件発生。神戸山口組と任侠山口組の間でも2件の傷害事件などがあったほか、17年9月12日には、神戸市長田区にある、任侠山口組・織田絆誠代表の自宅付近で、代表らが乗った車を神戸山口組の組員が襲撃。降りてきた任侠側の組員を射殺する事件が起きた。

 兵庫県警は17年5月、全部署から構成する「歓楽街緊急対策本部」を設け、その実働部隊として歓楽街特別暴力団対策隊(特暴隊)を発足させた。「みかじめ料」名目で飲食店などから金を脅し取っていたとして組員を逮捕するなど資金源の遮断にも乗り出している。

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