連載・特集 連載・特集 プレミアムボックス

山口組分裂騒動

  • 印刷
神戸新聞NEXT
拡大
神戸新聞NEXT
神戸山口組が定例会を開いた直系団体「俠友会」の事務所。警察庁などが同組の「主たる事務所」に認定した=2月8日、淡路市志筑
拡大
神戸山口組が定例会を開いた直系団体「俠友会」の事務所。警察庁などが同組の「主たる事務所」に認定した=2月8日、淡路市志筑
神戸新聞NEXT
拡大
神戸新聞NEXT

 国内最大の指定暴力団山口組(総本部・神戸市灘区)が分裂して27日で半年となる。離脱派の暴力団神戸山口組(本拠地・淡路市)との間で大規模な対立抗争は起きていないものの、一触即発の事態も目立ち始めた。両団体が拠点を置く兵庫では神戸側の勢力が山口組側の4倍超となることも明らかに。全国情勢とは異なる「ねじれ現象」が勢力争いの激化を招きかねず、兵庫県警幹部は「いまだ予断を許さない」と警戒を強めている。

 警察庁によると、昨年末時点の構成員と準構成員らの人数は、山口組が全国最多の1万4100人。神戸山口組は3番目で6100人だった。一方、兵庫県警によると、県内では山口組の270人に対し、神戸側が1160人と約4・3倍に上る。

 「兵庫では両組織とも本拠を置く意地がある。神戸側が切り崩しを強めれば、山口組側が巻き返す恐れもある」と捜査員。その分析を裏付けるような事案も起きている。

 今月22日昼、神戸市灘区の量販店。山口組関係者が黄色いテープを買い、集結していた組員らの体や乗用車約30台に貼り付けた。「神戸側との乱闘に備え、敵と味方を識別するためではないか」。警戒していた捜査員の緊張感が一気に高まった。

 実はその直前、両組織の組員らは神戸・三宮にある山口組の直系団体「岸本組」前でもにらみ合いを続けていた。神戸側が県内少数派となった岸本組の切り崩しを狙った-というのが、捜査員の一致した見方だ。

 ■エスカレート

 「報復がエスカレートしている」「ほぼ抗争状態だ」。ベテラン捜査員らは最近の情勢に危機感を募らせる。

 1月、福岡市の山口組系事務所に火炎瓶が投げ込まれた事件では、数時間前に福岡県内で神戸山口組の関係者が襲われていた。今月17日には、大阪市の山口組系傘下団体の元事務所に乗用車が突入。東京で起きた暴力事案への報復目的ともみられている。

 同23日には、福井県敦賀市の神戸山口組系事務所に発砲したとして、山口組系組員が逮捕された。事務所に対する発砲事件は分裂後、初めてだった。捜査幹部は「組幹部は使用者責任を逃れるため、表立っては暴力の指示を出さない。ただ、上位者の意をくんで動くのが暴力団。ささいな衝突が抗争に発展しかねない」と懸念する。

 ■衰退傾向

 ただ、暴力団の勢力そのものは衰退傾向にある。県警によると、「その他の団体」を含む県内全体の構成員、準構成員らは昨年末で計1600人となり、10年間で半減した。暴力団排除条例の影響で資金獲得が困難になり、高齢化も進む。

 「分裂を機に組織を離れた組員もいる。今こそ取り締まりを強め、壊滅に追い込みたい」と捜査幹部は強調する。

 県警は分裂から今年1月末までに、二つの山口組の直系組長6人を含む関係者約230人を摘発。分裂で暴力団対策法の規制対象から外れた神戸山口組を、同法に基づく指定暴力団として取り締まるため、手続きを進めている。

 【山口組の分裂】 国内最大の指定暴力団「山口組」の直系組長73人のうち13人が8月27日に離脱。有力団体だった「山健組」(神戸市中央区)の井上邦雄組長をトップに「神戸山口組」を結成した。離脱派は関西の組が多く、山口組の篠田建市(通称・司忍)組長の出身母体「弘道会」(名古屋市)を重視した人事や高額な上納金などの組織運営に反発したとされる。今月22日現在の直系組長数は山口組が56人、神戸山口組が22人。

2016/2/27

【山口組の分裂】

 2015年8月27日、全国最大規模の指定暴力団山口組(総本部・神戸市灘区)から、直系13団体が離脱し、「神戸山口組」を結成した。「山健組」(神戸市中央区)の井上邦雄組長がトップに就き、淡路市にある直系団体「俠友会」事務所を本拠地とした。

 分裂の背景には、篠田建市(通称・司忍)組長の出身母体「弘道会」(名古屋市)を優遇する組織運営や、高額な上納金制度などへの反発があったとされる。

 双方の衝突が相次ぎ、警察庁は16年3月に「対立抗争状態」と認定。兵庫県公安委員会は同年4月に神戸山口組を暴力団対策法に基づく「指定暴力団」とした。同年末の構成員数は山口組約5200人、神戸山口組約2600人だった。

 一方、神戸山口組では17年4月に一部組長らが離脱して「任俠団体山口組」(後に「任侠山口組」に改称)の結成を表明した。対立は三つどもえの構図となったが、警察庁は「神戸山口組の内紛」との見方を示しており、構成員数は不明。

 山口組と神戸山口組が分裂してから約2年間で、双方の衝突は約100件発生。神戸山口組と任侠山口組の間でも2件の傷害事件などがあったほか、17年9月12日には、神戸市長田区にある、任侠山���組・織田絆誠代表の自宅付近で、代表らが乗った車を神戸山口組の組員が襲撃。降りてきた任侠側の組員を射殺する事件が起きた。

 兵庫県警は17年5月、全部署から構成する「歓楽街緊急対策本部」を設け、その実働部隊として歓楽街特別暴力団対策隊(特暴隊)を発足させた。「みかじめ料」名目で飲食店などから金を脅し取っていたとして組員を逮捕するなど資金源の遮断にも乗り出している。

天気(9月24日)

  • 27℃
  • 23℃
  • 30%

  • 24℃
  • 20℃
  • 60%

  • 28℃
  • 22℃
  • 20%

  • 28℃
  • 21℃
  • 30%

お知らせ