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山口組分裂騒動

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神戸山口組関係者が姿を現さなかった意見聴取会場=神戸市中央区下山手通5
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神戸山口組関係者が姿を現さなかった意見聴取会場=神戸市中央区下山手通5

 特定抗争指定暴力団「神戸山口組」(神戸市中央区)の暴力団対策法に基づく指定が今年4月に期限を迎えるため、兵庫県公安委員会は20日、再指定に向けた手続きとして同組から意見を聴く機会を設けた。同組側は欠席したが、同法の規定で更新手続きはそのまま進められる。

 指定効力は3年間。神戸山口組は2016年に「指定暴力団」に指定され、4月に2回目の期限が切れる。指定により県公安委が不当要求の中止命令などを出せるほか、より規制が厳しい「特定抗争指定暴力団」にも指定できる。県公安委は、県警が事件捜査で集めた資料などを基に3回目の指定準備を進める方針。

 県警によると、同組は18年12月時点で全国に約1700人の構成員がいたが、傘下組織の離脱が相次いだことなどから3分の1の約550人(21年12月時点)に減少している。

2022/1/20
 

【山口組の分裂】

 2015年8月27日、全国最大規模の指定暴力団山口組(総本部・神戸市灘区)から、直系13団体が離脱し、「神戸山口組」を結成した。「山健組」(神戸市中央区)の井上邦雄組長がトップに就き、淡路市にある直系団体「俠友会」事務所を本拠地とした。

 分裂の背景には、篠田建市(通称・司忍)組長の出身母体「弘道会」(名古屋市)を優遇する組織運営や、高額な上納金制度などへの反発があったとされる。

 双方の衝突が相次ぎ、警察庁は16年3月に「対立抗争状態」と認定。兵庫県公安委員会は同年4月に神戸山口組を暴力団対策法に基づく「指定暴力団」とした。同年末の構成員数は山口組約5200人、神戸山口組約2600人だった。

 一方、神戸山口組では17年4月に一部組長らが離脱して「任俠団体山口組」(後に「任侠山口組」に改称)の結成を表明した。対立は三つどもえの構図となったが、警察庁は「神戸山口組の内紛」との見方を示しており、構成員数は不明。

 山口組と神戸山口組が分裂してから約2年間で、双方の衝突は約100件発生。神戸山口組と任侠山口組の間でも2件の傷害事件などがあったほか、17年9月12日には、神戸市長田区にある、任侠山口組・織田絆誠代表の自宅付近で、代表らが乗った車を神戸山口組の組員が襲撃。降りてきた任侠側の組員を射殺する事件が起きた。

 兵庫県警は17年5月、全部署から構成する「歓楽街緊急対策本部」を設け、その実働部隊として歓楽街特別暴力団対策隊(特暴隊)を発足させた。「みかじめ料」名目で飲食店などから金を脅し取っていたとして組員を逮捕するなど資金源の遮断にも乗り出している。

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