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山口組分裂騒動

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赤色灯をつけ、24時間態勢で組事務所周辺を警戒する警察車両=27日夜、神戸市中央区
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赤色灯をつけ、24時間態勢で組事務所周辺を警戒する警察車両=27日夜、神戸市中央区
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 兵庫県内最大の繁華街、神戸・三宮で、指定暴力団の山口組、神戸山口組に対する兵庫県警の警戒活動が思わぬ“波及効果”を生んでいる。三宮中心部などを管轄する生田署の刑法犯認知件数が激減しているのだ。今年1~4月の件数は前年同期比で実に4割減。双方の拠点がひしめく管内は最重点の警戒区域で、24時間態勢で続く組事務所の監視やパトロールの強化が都心の犯罪抑止につながっているとみられる。

 同署管内の4月末時点の刑法犯認知件数は695件で、前年同期(1115件)より420件少ない。減少率38%は、県内49署のうち、昨年秋に小野署と分かれて管轄エリアが縮小した加東署を除けばトップ。県内全体では1割減の約1万6700件となっている。

 犯罪の種別で見ると、店舗を狙った出店荒らしや事務所荒らしなどの「侵入犯罪」が前年同期の50件に対し、7割減の14件。器物損壊や自動販売機狙い、強制わいせつなどの「街頭犯罪」も75件減の248件で、暴行も90件減ったという。

 県警は山口組、神戸山口組の衝突が全国で激化し始めた今年2月以降、県内各地の関連施設周辺などで一段と警戒を強化。学校や防犯ボランティアによる登下校時の見守りもあり、生田署以外でも、管内に複数の組事務所がある姫路署では認知件数が3割減、山口組総本部を抱える灘署でも2割減と治安が改善傾向にある。

 県警は「パトカーや警察官の姿を見せることが犯罪を未然に防いでいるのだろう」と現状を分析。ただ、そうした厳戒態勢の中でも3月、三宮の繁華街でダンプカーが組事務所に突入しており、「暴力団情勢は予断を許さない。引き続き警戒を強める」としている。(鈴木雅之、小林伸哉)

2016/5/30

【山口組の分裂】

 2015年8月27日、全国最大規模の指定暴力団山口組(総本部・神戸市灘区)から、直系13団体が離脱し、「神戸山口組」を結成した。「山健組」(神戸市中央区)の井上邦雄組長がトップに就き、淡路市にある直系団体「俠友会」事務所を本拠地とした。

 分裂の背景には、篠田建市(通称・司忍)組長の出身母体「弘道会」(名古屋市)を優遇する組織運営や、高額な上納金制度などへの反発があったとされる。

 双方の衝突が相次ぎ、警察庁は16年3月に「対立抗争状態」と認定。兵庫県公安委員会は同年4月に神戸山口組を暴力団対策法に基づく「指定暴力団」とした。同年末の構成員数は山口組約5200人、神戸山口組約2600人だった。

 一方、神戸山口組では17年4月に一部組長らが離脱して「任俠団体山口組」(後に「任侠山口組」に改称)の結成を表明した。対立は三つどもえの構図となったが、警察庁は「神戸山口組の内紛」との見方を示しており、構成員数は不明。

 山口組と神戸山口組が分裂してから約2年間で、双方の衝突は約100件発生。神戸山口組と任侠山口組の間でも2件の傷害事件などがあったほか、17年9月12日には、神戸市長田区にある、任侠山���組・織田絆誠代表の自宅付近で、代表らが乗った車を神戸山口組の組員が襲撃。降りてきた任侠側の組員を射殺する事件が起きた。

 兵庫県警は17年5月、全部署から構成する「歓楽街緊急対策本部」を設け、その実働部隊として歓楽街特別暴力団対策隊(特暴隊)を発足させた。「みかじめ料」名目で飲食店などから金を脅し取っていたとして組員を逮捕するなど資金源の遮断にも乗り出している。

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