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山口組分裂騒動

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兵庫県警察本部=神戸市中央区
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兵庫県警察本部=神戸市中央区

 神戸市北区の特定抗争指定暴力団神戸山口組の井上邦雄組長宅から複数の弾痕が見つかった事件で、組長宅の門扉を損壊したとして、兵庫県警暴力団対策課と神戸北署は26日、建造物損壊の疑いで、岐阜市の無職の男(50)を再逮捕した。

 事件は5日午後、組長宅付近で警戒に当たっていた同署員が発砲音に気付き、門扉に10カ所以上の弾痕が確認された。男は直後に回転式拳銃1丁を持って近くの交番に出頭し、銃刀法違反(所持)の疑いで現行犯逮捕されていた。

 再逮捕容疑は5日午後2時20分ごろ、所有していた拳銃で組長宅に向けて複数回発砲し、門扉を損壊した疑い。同課の調べに黙秘しているという。

 捜査関係者によると、男は井上組長宅に車で乗り付けて拳銃で発砲した後、再び車に乗って現場を離れたという。

 神戸山口組を巡っては、特定抗争指定暴力団山口組との抗争が続いている。捜査関係者によると、県警は事件後の10日、男の関係先として山口組の直系組織「弘道会」(名古屋市)の本部事務所などを家宅捜索し、抗争事件とみて調べている。

2022/6/26
 

【山口組の分裂】

 2015年8月27日、全国最大規模の指定暴力団山口組(総本部・神戸市灘区)から、直系13団体が離脱し、「神戸山口組」を結成した。「山健組」(神戸市中央区)の井上邦雄組長がトップに就き、淡路市にある直系団体「俠友会」事務所を本拠地とした。

 分裂の背景には、篠田建市(通称・司忍)組長の出身母体「弘道会」(名古屋市)を優遇する組織運営や、高額な上納金制度などへの反発があったとされる。

 双方の衝突が相次ぎ、警察庁は16年3月に「対立抗争状態」と認定。兵庫県公安委員会は同年4月に神戸山口組を暴力団対策法に基づく「指定暴力団」とした。同年末の構成員数は山口組約5200人、神戸山口組約2600人だった。

 一方、神戸山口組では17年4月に一部組長らが離脱して「任俠団体山口組」(後に「任侠山口組」に改称)の結成を表明した。対立は三つどもえの構図となったが、警察庁は「神戸山口組の内紛」との見方を示しており、構成員数は不明。

 山口組と神戸山口組が分裂してから約2年間で、双方の衝突は約100件発生。神戸山口組と任侠山口組の間でも2件の傷害事件などがあったほか、17年9月12日には、神戸市長田区にある、任侠山口組・織田絆誠代表の自宅付近で、代表らが乗った車を神戸山口組の組員が襲撃。降りてきた任侠側の組員を射殺する事件が起きた。

 兵庫県警は17年5月、全部署から構成する「歓楽街緊急対策本部」を設け、その実働部隊として歓楽街特別暴力団対策隊(特暴隊)を発足させた。「みかじめ料」名目で飲食店などから金を脅し取っていたとして組員を逮捕するなど資金源の遮断にも乗り出している。

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