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山口組分裂騒動

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山口組総本部を捜索する兵庫県警の捜査員ら。不起訴率が6割を超え、逮捕権の乱用を指摘する声もある=神戸市灘区篠原本町4
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山口組総本部を捜索する兵庫県警の捜査員ら。不起訴率が6割を超え、逮捕権の乱用を指摘する声もある=神戸市灘区篠原本町4

 指定暴力団山口組(総本部・神戸市灘区)が指定暴力団神戸山口組(本拠地・兵庫県淡路市)と分裂して27日で2年となる。兵庫県警暴力団対策課がこの間に逮捕した暴力団員に対する検察庁の処分結果について神戸新聞社が集計したところ、少なくとも6割が不起訴になっていたことが分かった。暴力団員に限らない逮捕・勾留された人の全国的な不起訴率は30%台とされ、県警が暴力団組織の封じ込めを狙い、軽微な違反でも逮捕に踏み切っている現状がうかがえる。

 山口組分裂後の2015年8月28日から今月25日までの間、県警暴力団対策課が報道機関に逮捕を公表した暴力団員延べ160人の処分結果を調べた。一部には暴力団員と共犯関係の一般人や元組員も含む。

 不起訴となったのは、全体の61%に当たる97人。うち現役の暴力団員と確認されたのは62人だった。

 罪名別では、詐欺容疑が最多の52人。携帯電話を他人名義で購入したり、身分を隠して金融機関のカードを作成したりするなど、暴力団排除を定める企業の規定に反する事例が目立つ。また、車検証の使用者欄に別人を記載していたなどとする電磁的公正証書原本不実記録・同供用容疑での逮捕者も15人いた。

 一方、起訴されたのは62人で、内訳は公判請求が49人、略式起訴が13人。それぞれに占める現役の暴力団員は29人と8人だった。殺人罪や傷害罪に問われた暴力団員のうち、3人(実数2人)は公判で無罪となった。

 県警や警察庁は、逮捕者の処分結果を集計していないとする。

 検察庁によると、全国の検察、警察が手掛けた事件(自動車事故の道交法違反事件などは除く)で逮捕・勾留されたのは15年が約10万7千人で、うち不起訴になったのは38・1%。11年から5年間の平均は34・9%だった。

2017/8/26

【山口組の分裂】

 2015年8月27日、全国最大規模の指定暴力団山口組(総本部・神戸市灘区)から、直系13団体が離脱し、「神戸山口組」を結成した。「山健組」(神戸市中央区)の井上邦雄組長がトップに就き、淡路市にある直系団体「俠友会」事務所を本拠地とした。

 分裂の背景には、篠田建市(通称・司忍)組長の出身母体「弘道会」(名古屋市)を優遇する組織運営や、高額な上納金制度などへの反発があったとされる。

 双方の衝突が相次ぎ、警察庁は16年3月に「対立抗争状態」と認定。兵庫県公安委員会は同年4月に神戸山口組を暴力団対策法に基づく「指定暴力団」とした。同年末の構成員数は山口組約5200人、神戸山口組約2600人だった。

 一方、神戸山口組では17年4月に一部組長らが離脱して「任俠団体山口組」(後に「任侠山口組」に改称)の結成を表明した。対立は三つどもえの構図となったが、警察庁は「神戸山口組の内紛」との見方を示しており、構成員数は不明。

 山口組と神戸山口組が分裂してから約2年間で、双方の衝突は約100件発生。神戸山口組と任侠山口組の間でも2件の傷害事件などがあったほか、17年9月12日には、神戸市長田区にある、任侠山���組・織田絆誠代表の自宅付近で、代表らが乗った車を神戸山口組の組員が襲撃。降りてきた任侠側の組員を射殺する事件が起きた。

 兵庫県警は17年5月、全部署から構成する「歓楽街緊急対策本部」を設け、その実働部隊として歓楽街特別暴力団対策隊(特暴隊)を発足させた。「みかじめ料」名目で飲食店などから金を脅し取っていたとして組員を逮捕するなど資金源の遮断にも乗り出している。

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