連載・特集 連載・特集 プレミアムボックス

山口組分裂騒動

  • 印刷
兵庫県警尼崎南署に移送される朝比奈久徳容疑者(右)=29日午後5時32分、尼崎市浜田町4
拡大
兵庫県警尼崎南署に移送される朝比奈久徳容疑者(右)=29日午後5時32分、尼崎市浜田町4

 兵庫県尼崎市で11月27日、指定暴力団神戸山口組(神戸市中央区)の古川恵一幹部(59)が射殺された事件で、同県警に殺人容疑で逮捕された朝比奈久徳容疑者(52)=愛知県江南市=が約1カ月前、事件現場近くで県警の職務質問を受けていたことが30日、捜査関係者への取材で分かった。警察官に本名を名乗り、「元組員」と話したという。下見をしていた可能性があり、県警は計画的に銃撃に及んだとみて調べる。

 朝比奈容疑者は、神戸山口組と対立する指定暴力団山口組(神戸市灘区)の元組員とされる。昨年12月に「破門」されたが、破門は偽装との見方があり、県警は銃撃にも山口組が組織的に関与したとみている。

 捜査関係者によると、10月下旬、路上に見慣れないレンタカーが止まっていたため、警察官が車内にいた朝比奈容疑者に職務質問した。警察官が求めた所持品検査にも応じたという。

 職務質問や銃撃があった近くには、古川幹部の親族が営む飲食店があり、最近は古川幹部が切り盛りしていた。付近では昨年3月と今年7月にも古川幹部がバットなどで暴力団関係者に襲われ、県警が警戒を強化していた。朝比奈容疑者に法律違反の疑いがなかったため、職務質問以上の対応は取らなかったという。

 この日以降、同容疑者は古川幹部のいた飲食店に何度か客として通っていたといい、襲撃に向け古川幹部や周辺の状況を観察していたとみられる。また同容疑者が事件現場からの逃走に使ったレンタカーの軽乗用車を、事件の3日前に尼崎市内で、1週間の契約で借りていたことも判明した。

 一方、尼崎市内では30日、神戸山口組による古川幹部の葬儀があった。井上邦雄組長らが姿を見せ、県警が警戒に当たったが、目立ったトラブルはなかった。

2019/11/30

【山口組の分裂】

 2015年8月27日、全国最大規模の指定暴力団山口組(総本部・神戸市灘区)から、直系13団体が離脱し、「神戸山口組」を結成した。「山健組」(神戸市中央区)の井上邦雄組長がトップに就き、淡路市にある直系団体「俠友会」事務所を本拠地とした。

 分裂の背景には、篠田建市(通称・司忍)組長の出身母体「弘道会」(名古屋市)を優遇する組織運営や、高額な上納金制度などへの反発があったとされる。

 双方の衝突が相次ぎ、警察庁は16年3月に「対立抗争状態」と認定。兵庫県公安委員会は同年4月に神戸山口組を暴力団対策法に基づく「指定暴力団」とした。同年末の構成員数は山口組約5200人、神戸山口組約2600人だった。

 一方、神戸山口組では17年4月に一部組長らが離脱して「任俠団体山口組」(後に「任侠山口組」に改称)の結成を表明した。対立は三つどもえの構図となったが、警察庁は「神戸山口組の内紛」との見方を示しており、構成員数は不明。

 山口組と神戸山口組が分裂してから約2年間で、双方の衝突は約100件発生。神戸山口組と任侠山口組の間でも2件の傷害事件などがあったほか、17年9月12日には、神戸市長田区にある、任侠山���組・織田絆誠代表の自宅付近で、代表らが乗った車を神戸山口組の組員が襲撃。降りてきた任侠側の組員を射殺する事件が起きた。

 兵庫県警は17年5月、全部署から構成する「歓楽街緊急対策本部」を設け、その実働部隊として歓楽街特別暴力団対策隊(特暴隊)を発足させた。「みかじめ料」名目で飲食店などから金を脅し取っていたとして組員を逮捕するなど資金源の遮断にも乗り出している。

天気(1月29日)

  • 14℃
  • 10℃
  • 20%

  • 12℃
  • 8℃
  • 60%

  • 14℃
  • 10℃
  • 40%

  • 14℃
  • 10℃
  • 40%

お知らせ