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山口組分裂騒動

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 指定暴力団山口組の分裂問題で、警察庁の金高雅仁長官が13日、兵庫県警本部で担当の捜査員らに訓示を行った。主な内容は次の通り。

 「兵庫県内には山口組、神戸山口組の両団体の拠点が存在し、全国警察を挙げた取り締まりの最前線であり、主戦場である。引き続き市民生活の安全の確保、両団体の弱体化、壊滅のために全力を尽くしてほしい。

 特に留意してほしいのは4点。第1は関連情報の収集と、全国での共有だ。今回の分裂は1984(昭和59)年の一和会結成に次ぐものだが、当時は分裂の半年後に4代目山口組組長の射殺事件が起き、これを契機に2年に及ぶ大規模な抗争が発生し、多数の死傷者が出た。

 今回も双方の水面下の動きに細心の注意を払い、情報収集を徹底する必要がある。特に対立抗争の引き金になる可能性のある事案や、双方の切り崩しなどの情報を正確かつ迅速に把握し、必要な対策を講じなければならない。

 また、相手は両団体とも傘下に多数の組織を持つ全国組織だ。全国警察を挙げて強力な取り締まりを推進するには、情報の共有が不可欠である。

 第2は警戒の強化。両団体の構成員によるささいなトラブルが、組織間の対立抗争に発展することも十分にあり得る。過去の抗争では拳銃など銃器発砲が多発したことを踏まえ、万が一にも一般市民が巻き添えになることがないよう安全確保に万全を期してほしい。

 第3は取り締まりの強化。対立抗争を暴圧するには、引き金となるような前兆事案を見過ごすことなく徹底して検挙するほか、事件の掘り起こしによって組長や組員らを大量に検挙し、抗争の力を奪うことが重要だ。

 昨年9月以降、年末までに全国26都府県で関係先延べ118カ所を捜索し、これらの関係事件で2次組織の組長9人を含む161人を検挙している。引き続き強力な取り締まりで対立抗争を封じてほしい。双方の組織が対立で消耗する今こそ、一気に両団体の弱体化を図るべきだ。

 暴力団が組織的に関係する殺人などの事件は、組織トップの関与、指示なくしてはあり得ない。万が一にも対立抗争が発生した場合、実行犯らの検挙にとどまることなく、徹底して組織トップの刑事責任を追及し、解明してほしい。

 抗争の武器となり得る銃器の押収も徹底してほしい。既に拳銃使用の射殺事件も発生しており、水面下に沈んでいた多数の銃器が表面に近いところに出ている可能性がある。

 第4は、神戸山口組の早期指定に向けた取り組みだ。事案の積極的な事件化や関連情報の収集など、兵庫県警の取り組みを高く評価している。引き続き早期指定に向け全力で取り組んでほしい。

 今回の分裂に対する警察の取り組みは、わが国の暴力団全体に大きな影響を与える。暴力団対策の歴史に残る大きな成果を挙げることを期待している」

2016/1/13

【山口組の分裂】

 2015年8月27日、全国最大規模の指定暴力団山口組(総本部・神戸市灘区)から、直系13団体が離脱し、「神戸山口組」を結成した。「山健組」(神戸市中央区)の井上邦雄組長がトップに就き、淡路市にある直系団体「俠友会」事務所を本拠地とした。

 分裂の背景には、篠田建市(通称・司忍)組長の出身母体「弘道会」(名古屋市)を優遇する組織運営や、高額な上納金制度などへの反発があったとされる。

 双方の衝突が相次ぎ、警察庁は16年3月に「対立抗争状態」と認定。兵庫県公安委員会は同年4月に神戸山口組を暴力団対策法に基づく「指定暴力団」とした。同年末の構成員数は山口組約5200人、神戸山口組約2600人だった。

 一方、神戸山口組では17年4月に一部組長らが離脱して「任俠団体山口組」(後に「任侠山口組」に改称)の結成を表明した。対立は三つどもえの構図となったが、警察庁は「神戸山口組の内紛」との見方を示しており、構成員数は不明。

 山口組と神戸山口組が分裂してから約2年間で、双方の衝突は約100件発生。神戸山口組と任侠山口組の間でも2件の傷害事件などがあったほか、17年9月12日には、神戸市長田区にある、任侠山���組・織田絆誠代表の自宅付近で、代表らが乗った車を神戸山口組の組員が襲撃。降りてきた任侠側の組員を射殺する事件が起きた。

 兵庫県警は17年5月、全部署から構成する「歓楽街緊急対策本部」を設け、その実働部隊として歓楽街特別暴力団対策隊(特暴隊)を発足させた。「みかじめ料」名目で飲食店などから金を脅し取っていたとして組員を逮捕するなど資金源の遮断にも乗り出している。

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