連載・特集 連載・特集 プレミアムボックス

学園リポート

  • 印刷
さまざまなこだわりが詰まった手作りギョーザ
拡大
さまざまなこだわりが詰まった手作りギョーザ

 甲南大学文学部には、手作りギョーザに情熱を注ぐ教授がいる。ナチズムの研究で知られる田野大輔さん(52)だ。過去の学園祭ではゼミ生とともに美味を追求し、ついには自費で鉄板を購入。店の前には長い列ができた。新型コロナウイルス禍では出店を控えているが、どんな思いがあるのだろう。

 田野さんは家族とギョーザを作ることが好きで、ゼミでも親睦を深めるためにギョーザパーティーを開催。回を重ねる中で学園祭の模擬店で販売しようという声が上がり、2015年に初めて出店した。

 1年目は勝手が分からず、反省も多かったそうだが、翌年にはさまざまな点を変更。一口食べるだけでおいしさが伝わるよう、ニンニクやショウガなどの薬味を効かせ、パンチのある味にした。またニラの水分を逃がさないようフードプロセッサーを使わず手切りにするなど、調理も工夫した。

 きれいな焼き色を付けるため、器具にもこだわる。イベント向けの調理道具をレンタルするのではなく、分厚く大きな1万5千円ほどの鉄板を自費で購入。販売価格も見直し、7個入り350円を4個入り200円に変え、手に取りやすくした。すると、行列が絶えない人気店に生まれ変わった。「ギョーザは手間をかけた分だけおいしくなる」と田野さんは胸を張る。

 ゼミ生が主体となって調理、販売することにも意味がある、と強調する。「物を作って売り、喜んでもらうという一連の営みは職業体験のような側面もある」。手作りギョーザには、学生の成長を見守る教育者としての思いも込められている。(甲南大学文学部2年・中尾敦志)

2022/11/9
 

天気(9月6日)

  • 33℃
  • ---℃
  • 10%

  • 35℃
  • ---℃
  • 10%

  • 35℃
  • ---℃
  • 10%

  • 36℃
  • ---℃
  • 10%

お知らせ