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学園リポート

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伴走者とともに練習に励む辻岡恵子さん(右)
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伴走者とともに練習に励む辻岡恵子さん(右)

 私は東京パラリンピックを見たのをきっかけに視覚障害のある走者、ブラインドランナーの伴走をしている。パートナーの辻岡恵子さん(60)=大阪府吹田市=は私の高校時代の恩師を通じ出会った。

 辻岡さんは網膜色素変性症を患い、30代の頃から段階的に目が見えなくなった。陸上を始めたきっかけは友人から障害者国体(全国障害者スポーツ大会)の予選会に誘われたこと。気軽に参加すると、60メートル走と立ち幅跳びで本大会への出場が決定した。その後はどんどん記録の伸びる陸上の面白さに引き込まれた。やり投げにも挑戦し、今シーズンは日本記録を更新した。

 辻岡さんは「人の輪がつながることがパラスポーツの醍醐味(だいごみ)」と気付いたという。

 ブラインドランナーには練習相手が必要だ。最初は見つからずに困ったが、視覚障害者の集まる練習会に参加したことで出会いが増えた。伴走はブラインドランナーの目となり、進行方向を示す。ランナーの聞きたい情報を伝え、走り方に合わせるのが難しくもあり、個性を楽しめる点で面白くもあると私は思う。

 「(伴走者との)出会いの分だけ、つながりが枝葉状に広がるのを感じる」と辻岡さん。ブラインドランナーだからこそ、チームで走る一体感も感じられる。伴走者が増え、陸上の楽しさを共感できることが願いだ。今でも練習仲間は募集中だという。

 辻岡さんはパラリンピック出場、そして走れなくなるまで走ることを目標に掲げる。「できないことはできないと割り切って、新しくできることでそれを超えればいい」。私もそのためのサポートを続けたいと改めて感じた。(関西学院大学商学部2年・武田裕貴)

2022/11/9
 

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