第10回神戸マラソンが昨年11月20日、3年ぶりに開催され、約2万人が力走した。大会は新型コロナ感染拡大防止に配慮して運営され、新しい応援のスタイルも見られるなど、さまざまな発見があった。
安全対策として、ランナーには3回目のワクチン接種証明などの提出が義務づけられた。給食は個包装され、給水担当など一部のボランティアは顔にシールドを着けて応対した。
応援は自粛が呼びかけられていたが、沿道にはスケッチブックやうちわ、鳴子や太鼓を持った人の姿があった。声を出さず、エールを送ろうとしていたのだ。
私はランナーとして出場したが、準備不足で足がつり、転倒してしまった。一時は心が折れかけたが、スケッチブックなどに書かれた「頑張ってください」「笑顔笑顔」といった言葉に何度も励まされ、何とか完走することができた。
コロナ禍では数々の行動が制限されてきたが、諦めずに工夫すれば実現できるかもしれない。今大会を通じ、そう教えられた。
(神戸学院大学現代社会学部2年・井上晴史)